狭い門から入れ!

狭い門から入れ!

日記を軸に、身近な話題~趣味などいろいろ書きます。大学生。

蟷螂の斧。エアコンの電源を入れ、力尽きる。

7時15分。スマホのアラームが耳元で愚痴をこぼし始める。15分ほど携帯をなだめた僕はスローモションで起床。人間だったら一発ぶん殴りたくなるだろうダラけ様なので、毎日十分すぎるほど優しい起こし方をしてくれているスマホに感謝感激アメアラシだ。頭など到底上がらないのである。

そんな感じでリビングに向かうと、いつもの天気予報の時間だ。灼熱地獄を迎えるこの時期の天気予報はとても嫌いだ。全国の気温情報が終わったと思えば、アナウンサーが冷ややかな声で熱中症の注意を呼びかける。非常に不快だが、これもきっと暑さのせい。エアコンのリモコンに手を伸ばそうとするが、外出の予定があることを考えると、身を縛る危険のある行為など安易にできないことに気づくのだ。




最近の通学スタイルといえば依然、ジテツウ(自転車通学)である。新たな汗対策にヘッドバンドを取り入れた。額から流れ落ちようとする汗を見事に吸収してくれる優れもの。また前髪にも汗がつかないので、学着後は割と楽にかいた汗を拭けるのがポイントだ。水も滴るいい男とはどこをどう考えても言えないのだが、汗臭いオタクには辛うじてなっていないのでひとまず良しとしよう。しばらくは様子見だ。

文章を読み返すだけで暑苦しくなってきたので、そろそろインドアな話がしたい。

クソ暑いとは言えども眠気はいつも通りやって来る。ダラけに始まり、ダラけに終わる毎日。でもそんな夏にはしたくない。ま、とりあえず、クーラでもつけるか。


夏休み、タイに行く。

水たまりを覗くと自分の顔が見える/近状

大学の校舎を出ると、すぐそこに敷かれたレンガ調のタイルの隙間に水が流れている。ふと空を仰ぐと土砂降りの雨だ。根暗大学生は下を向いて歩きがちなので、最初に入ってくる雨の視覚情報は上からよりも、下からの方が多い。



木曜日、5/24日は自転車部の新入生歓迎会だ。開催は午後6時半のお好み焼き屋。7人が出席するようだ(20人くらいいるらしいが)。授業が終わって外に出た時には予報通り雨が降っていたが、地面は然程濡れてはいない。どうやら降り始めたばかりのようだ。おもむろにレインコートをカバンから取り出す。フードを被ると雨量の増す感じがするのは今日だけだろうか。はたまた私だけだろうか。地球ロックしてあるダイヤル式の鍵を外すのに手こずっていると、ボツボツと鈍い音が勢いを増してきた。側溝を流れる雨水。坂を下る雨水。乗るしかない、このビッグウェーブに。


お好み焼き屋まではおよそ5分。既に2人が入り口付近で雨をしのいでいた。駐車場に滑り込むように入りフェンスに自転車を立てかける。雨で滑って施錠に手こずる。先に待っていたのは2人とも1年生で、ロードバイクはまだ持っていないとのこと。如何なる分野においても、初心者に歓迎の意を示さずにはいられないのがオタクの性ではなかろうか。ここで私は、「ようこそ沼へ」と握手を交わしながらポロポロと涙を流すのだ。無論、妄想でだが。


残りの4人はまとまってやって来た。部長を含めて全員先輩のようだ。実はラインのグループはあったものの、実際に集まったのは今日が初めてで、ほかの部員との面識はいままで皆無だ。これが何を意味するかお分りだろうか。「オフ会」に相当する会が学内公式運動部で行われてしまったのだ。


同じ分野のオタク同士、一度集まれば話は早い。ここに集まった目的は皆同じなのである。もはや蟻の集会だ。席に着くやいなやリロードの知らないマシンガントークが専門用語を交えて繰り出される。初心者の子たちに解説しながらオタクはどんどん早口になる(加速特性)。ガチメンツとは学内の駐輪場に置いてあるロードバイクで話ができる。「○○によく置いてある○色の○○○(車種名)わかります?」「わかるわかるアレカッコいいw」という具合に。第三者の自転車の情報が部内で共有されているのだ。ある意味怖い。でも楽しい。たのちい。


これは個人的にスゴイ事だと思っているのだが、学生の自転車乗りはアニメ、ゲームの分野にも強いことが多い。願ったり叶ったりである。マシンガントークもワンランク上がり次元を超えたトークに突入する。漫画でいう目を渦巻きやバツにしながら会話するタイプの描写だ。どちらかといえばアニメ、ゲーム系の分野から自転車部門に進出してくるのだろうか。弱ペダ効果もあるのか。渡辺航さん万歳。同士よ集え。


(今期のアニメ「ヒナまつり」、面白い上に泣けるのでおススメ。(先日筆者は視聴中に号泣会見を開いていまった。)


先週に続いて今週、そして来週も、往復30km通学だ。1ヶ月に一体何キロ乗ればいいのだろうか。タイヤの消耗も激しい。夏も目の前、なるべく精神的にも体力的にも負荷をかけずにしたい。金銭面においてもだ。自転車を軽くすれば楽になるのだが、それは財布が軽くなるのと同義だ。と頭を抱えながら最強に長持ちするタイヤを探している、なう。

ゴールデンウィークを溶鉱炉に沈める/近状

暖かくなってから布団を薄くしたにもかかわらず、授業がある日の布団はいつもの二割増しくらいの重さだ。高校生の時は進学した先輩の「一限ブッチww」ツイートはお馴染みの光景だったが、いざ大学生になって見るとそんなことは言っていられない。一限ブッチなんてすると、一瞬のうちに単位が親指を立てながら溶鉱炉にコポコポと沈んでいく。最近見てないけど先輩、大丈夫だろうか。

大学までの所要時間はおよそ一時間で、地下鉄とバスを使う。本当に地下に鉄の塊が走っているのだから正直で分かりやすい言語だなと母国語に感心しながら乗車する。おっと、新幹線はもうだいぶ古いのでそろそろ旧幹線にすべきだ。どうも我々は古くなっても「新」と、意地を張る文化でもあるらしい。

背広を装備した東京の早朝戦士に訊けば、名古谷の通勤ラッシュなんぞガラ空きレベルと言われるに違いない。なんと言ったってまだこちらには車内で薄いパソコンを触るスペースが手元にある。ただ、鈍色の走行音がうるさすぎて音楽は聴けない。ついこの間、久しぶりに横浜に帰ったら横浜線の車両が静かすぎて驚いたのも記憶に新しい。

さて、単位の話に戻ろうと思うが、今期は九十分の授業が週に十四コマ入っている。ちなみに期待していた全休は無い。「全休は学生をダメにする」ツイッターで誰かが言っていた。まあしかし、これでダメ大学生になる可能性が少しばかり減ったわけだ。"必修科目を一限に持ってきてくれた"教授たちに圧倒的感謝のエールを送ろう。

筆者は某外国語を専攻していて、半分くらいはネイティブの先生による授業だ。我々のためにわざわざ祖国を離れて教えに来てくれているなんて、必修科目を一限に持ってきてくれた教授たち以上に感謝のエールを送らなければならない。

そんな幸いに気付かずブツブツ文句を言っている学生は案外多い。分かりにくいやら教えるのがヘタクソやら、とにかく言いたい放題だ。外国語(日本語)で自分の国の言葉を教えるなんて教育のプロと呼ぶに値すると思うのだが。英語で日本語を教える授業を必修開講してみては如何だろうか。彼らの投げるブーメランはいつ手元に戻ってくるのか、お楽しみである。

自論だが、日本人の先生とネイティブの先生の授業が半分ずつあるというのは全くの偶然であるが非常に効率的なカリキュラムだ。日本人の先生の授業で知識や価値観を共有して吸収する。ネイティブの先生が日本人が気にしていることに気づかないのは無理もない。そこで吸収したものを自主的にアウトプットだ。些細なことでも、自ら思考を始めないと効率化できるものも見つけることすらできない。

あと、大学の図書館はマジで住みたいレベルで素晴らしい。岩波、その他新書が揃っているし、各種学術誌、興味のある分野の書籍も大量で嬉しい。新聞も毎日各新聞社の朝刊夕刊が並ぶので、トップ一面くらいは比較してみたりする。特に社説の書き出しなんかは参考になる。そんなこんなでブログを書こうかなと思うのである。

大学の学科遠足!?その3

前回→大学の学科遠足!?その2 - 狭い門から入れ!


イタリアゾーン、世界のテントゾーンを横に通り過ぎ道なりにすすむ。10分くらい歩いただろうか、アフリカプラザに到着した。黄色のペンキが壁に、赤いペンキが屋根に塗られているその建物は背の低い1階建だ。入り口には南アフリカの国旗が縦向きに釣り下がっている。ふと立て看板を見た。「ワニ・ダチョウ・ラクダ肉 2つ選んで600円」舟形の紙容器に串が2本のった写真。来た、アフリカの真骨頂。これは食べる以外の選択肢はないよな。先程から何と無く一緒に行動していた、自分を含めた男子4人はアイコンタクトをとる。ここまで来ればひとまず“友人”と呼べる域ではないだろうか。彼らと金券を出し合い、注文することにした。流石に一人で全部食べるのは危ない橋だということを3人も分かっているようだ。


ㅤ3種類の中から2本を2セットの注文なのでどれを2本にするか迷ったが、結局多数決でワニ肉になった。 円卓に4つの椅子を並べ着席。焼き上がりを知らせるブザーを中心に円卓会議が始まる。右に座る友人Jは春休み中にインド、中国、韓国などをひとり旅したらしい。左とそのもう左に座る友人MとRは三江県から実家通いをしている。毎朝2時間弱かけて通学しているわけだから4年後には立派な満員電車の戦士になっているだろう。ほぼ向かい側に座っている友人Zは南西方面から通っていて、なおアクセスが悪い。アクセスが悪いというのもそもそもは大学の立地が悪いだけあって、もとより学生側の罪など殆どないに等しいのである。


ㅤそうこう言っている間に円卓中心に“君臨する”ブザーがこれからの食事を警告するかのような甲高い音をあげた。Jにそれを託し、受け取り口までのひとり旅に出てもらった。もちろん土産は獣肉である。


ㅤやや黄色い電灯が肉の色をいっそう悪くする。白身の肉が2本、赤身(と言っても焼いてあるので色は茶色)の肉が2本。ワニを2本頼んだので白身がワニであることは確定した。赤身はどちらも似たような見た目で、円卓に置いてある判別表を読まなければそれえあを正しく分けるのは難しい。やはり文字文明は偉大である。


ㅤワニをひとくちいただく。味、食感ともに白身魚を食べているかのようだ。若干の臭さはあるが塩胡椒で誤魔化せる程度である。ラクダとダチョウはめちゃくちゃ硬い。ほぼガム状態でなかなか切れない。そして何より臭い。ここまで獣臭い肉は初めて食べた。噛めば噛むほどお口の中に不協和音が広がる。指揮者が指揮をやめたからといって音が止むことはないようだ。不従順な演奏者たちである。そして何を飲めばこの悪い意味でのハーモニーを抑え込む事ができるだろうかと考えるのであった。帰りのバスが獣臭くなるのはほぼ確実だ。

→続き(描き途中)

大学の学科遠足!?その2



前回→ 大学の学科遠足!?その1 - 狭い門から入れ!

台湾みくじ台に到着。赤いレンガで建てられた小屋はほぼ立方体で瓦の屋根が付いている。中には腰の高さくらいの台。中華風な赤いテーブルクロスがひかれている。その上に六角形の筒がポツリ。1リットルのペットボトルくらいだろうか。中には小学校で使った竹製のモノサシみたいなのが何十本も突き刺さっている。ただしこれも赤い。台の奥にはこれより少し高い台がもうひとつ。漆色だ。手前の台と合わせて段々に見える。両端には赤い花。銅色の花瓶に入れられ、自分の目線より僅かに高いところからこちらを見ている。そして、中央には金色の龍が、畳1枚くらいの大きさの額に収まろうとその長い身体をくねらせている。そして、とにかくアホそうな顔をしている。アホ以外にはどのように形容しようか。アジアンテイストな彫刻や絵の殆どは偏差値の低そうな顔をしている。明日の方向を見ているからだろう。台湾人は仏教と道教の習合を信仰としているらしい。日本人の仏教アンド神道といったところか。もしかしたら台湾人も、日本の神道の混ざった大仏の顔を見て、「なんだあのすまし顔の大仏は。頭悪そうなやな」くらいは思っているかもしれない。


さて、台湾みくじの引き方はこうだ。まず台に乗った六角形の筒を適当に揺すり、突き刺さった竹製の棒を1本引く。持った部分とは反対側に数字が書いてある。その次にその引いたくじが本当に正しいものか決めてもらう。聖筊 と呼ばれる1対の三日月型の赤い木材を地面に落とす。表面は曲線を描いていて、裏面は真っ平らだ。ちょうど肉まんを半分に割ったようなものである。落として一方が表、一方が裏ならその占いは正しいとされる。両方とも表、もしくは裏では御心ではないらしい。改めて引き直して同じことを繰り返す。決まったら横にかけてある同じ番号の紙をさらっていく。正月のおみくじと同じだ。日本人なら凶を引いて今年はこんなものかと残念がるものだが、台湾人はひと味違う。自分の納得できない結果なら何回でも引き直すことができる。と教授が言っていた。つまり、大吉を引くまでリセマラできるということだ。もうこれ、神さまの心とか関係ねえ。チートし放題なのだ。

ㅤおみくじに興味がない。が、予定に組み込まれてるので仕方ない。支給された金券から100円分を切り離して引く。

うーん、興味ない!さっさとカバンにしまう。


道に戻って先を急ぐ。急ぐ理由は特にないのだが、なんとなく急ぐ。インドネシア、バリ島の家やボリネシア、サモアの家を通り過ぎて(クラスメイトの3人と)ドイツはバイエルンの村に到着した。色鮮やかな外壁の民家2棟。西洋建築と言われてよく思い浮かべるヤツだ。何より目を引くのは小高い丘とその上に建つ教会である。緩やかな斜面には芝桜とパンジーが見頃を迎えている。立って見れば目と鼻の先で終わる花壇も、しゃがんで目線を花と同じ高さに合わせると地平線、ずっと向こうまでお花畑のように見える。熊蜂が多い。その艶やかな唐紅の花弁に誘われてかと思ったが、多分蜂はこの色を認識できない。花の匂いに誘われてと言ったところか。私たちにはその匂いは分からなかった。残念ながら蜂も人間も、その花の美しさの一部しか覚えることができないようだ。


民家のひとつに入った。天井にはシェードランプ、カウンターが壁側に向かって伸びている。表の看板には「Gasthof」。家庭料理を提供する食堂と民宿を兼ねたものらしい。ドイツといえば・・・無論、ソーセージだ。メニューには、ソーセージ数種類、フライドポテト、ビール。早速例の金券を取り出してソーセージの盛り合わせを注文。100円券14枚分だ。銀色の皿の上には長めで少し辛そうなソーセージが2本、ハーブのが2本、太くて白いのが1本。高ぶる食欲を落ち着かせるかのようにザワークラウトとパセリが付け合わせてある。長めの2本はかじるとパリッといい音でピリ辛。パンに挟みたい。ハーブのソーセージは独特の匂いと味が混じっていたが、上手にレモンの風味で中和されている。最後は白いのは個性の塊だった。パリッとは全然行かない。むしろ噛み切りにくい。そういえば、外のメニューに「皮をむいて召し上がり下さい」と書いてあったような。まあいいや。そのままがっつく。あっさりだけどクリーミー。一般的なものより塩気が少なくて食べやすい。マスタードをつければちょうどいいだろう。本当に色々な種類がある。大学にも色々な学生がいる。学生生活は山あり谷ありなような気しかしないし、スタート地点に石ころが無数に転がっていたのは既に確認済みだ。今はそんなデコボコ道を少しでも整地してくれるような存在に出会えることを願う。一緒に整地しよう。

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