狭い門から入れ!

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日記を軸に、身近な話題~趣味などいろいろ書きます。大学生。

大学の学科遠足!?その2



前回→ 大学の学科遠足!?その1 - 狭い門から入れ!

台湾みくじ台に到着。赤いレンガで建てられた小屋はほぼ立方体で瓦の屋根が付いている。中には腰の高さくらいの台。中華風な赤いテーブルクロスがひかれている。その上に六角形の筒がポツリ。1リットルのペットボトルくらいだろうか。中には小学校で使った竹製のモノサシみたいなのが何十本も突き刺さっている。ただしこれも赤い。台の奥にはこれより少し高い台がもうひとつ。漆色だ。手前の台と合わせて段々に見える。両端には赤い花。銅色の花瓶に入れられ、自分の目線より僅かに高いところからこちらを見ている。そして、中央には金色の龍が、畳1枚くらいの大きさの額に収まろうとその長い身体をくねらせている。そして、とにかくアホそうな顔をしている。アホ以外にはどのように形容しようか。アジアンテイストな彫刻や絵の殆どは偏差値の低そうな顔をしている。明日の方向を見ているからだろう。台湾人は仏教と道教の習合を信仰としているらしい。日本人の仏教アンド神道といったところか。もしかしたら台湾人も、日本の神道の混ざった大仏の顔を見て、「なんだあのすまし顔の大仏は。頭悪そうなやな」くらいは思っているかもしれない。


さて、台湾みくじの引き方はこうだ。まず台に乗った六角形の筒を適当に揺すり、突き刺さった竹製の棒を1本引く。持った部分とは反対側に数字が書いてある。その次にその引いたくじが本当に正しいものか決めてもらう。聖筊 と呼ばれる1対の三日月型の赤い木材を地面に落とす。表面は曲線を描いていて、裏面は真っ平らだ。ちょうど肉まんを半分に割ったようなものである。落として一方が表、一方が裏ならその占いは正しいとされる。両方とも表、もしくは裏では御心ではないらしい。改めて引き直して同じことを繰り返す。決まったら横にかけてある同じ番号の紙をさらっていく。正月のおみくじと同じだ。日本人なら凶を引いて今年はこんなものかと残念がるものだが、台湾人はひと味違う。自分の納得できない結果なら何回でも引き直すことができる。と教授が言っていた。つまり、大吉を引くまでリセマラできるということだ。もうこれ、神さまの心とか関係ねえ。チートし放題なのだ。

ㅤおみくじに興味がない。が、予定に組み込まれてるので仕方ない。支給された金券から100円分を切り離して引く。

うーん、興味ない!さっさとカバンにしまう。


道に戻って先を急ぐ。急ぐ理由は特にないのだが、なんとなく急ぐ。インドネシア、バリ島の家やボリネシア、サモアの家を通り過ぎて(クラスメイトの3人と)ドイツはバイエルンの村に到着した。色鮮やかな外壁の民家2棟。西洋建築と言われてよく思い浮かべるヤツだ。何より目を引くのは小高い丘とその上に建つ教会である。緩やかな斜面には芝桜とパンジーが見頃を迎えている。立って見れば目と鼻の先で終わる花壇も、しゃがんで目線を花と同じ高さに合わせると地平線、ずっと向こうまでお花畑のように見える。熊蜂が多い。その艶やかな唐紅の花弁に誘われてかと思ったが、多分蜂はこの色を認識できない。花の匂いに誘われてと言ったところか。私たちにはその匂いは分からなかった。残念ながら蜂も人間も、その花の美しさの一部しか覚えることができないようだ。


民家のひとつに入った。天井にはシェードランプ、カウンターが壁側に向かって伸びている。表の看板には「Gasthof」。家庭料理を提供する食堂と民宿を兼ねたものらしい。ドイツといえば・・・無論、ソーセージだ。メニューには、ソーセージ数種類、フライドポテト、ビール。早速例の金券を取り出してソーセージの盛り合わせを注文。100円券14枚分だ。銀色の皿の上には長めで少し辛そうなソーセージが2本、ハーブのが2本、太くて白いのが1本。高ぶる食欲を落ち着かせるかのようにザワークラウトとパセリが付け合わせてある。長めの2本はかじるとパリッといい音でピリ辛。パンに挟みたい。ハーブのソーセージは独特の匂いと味が混じっていたが、上手にレモンの風味で中和されている。最後は白いのは個性の塊だった。パリッとは全然行かない。むしろ噛み切りにくい。そういえば、外のメニューに「皮をむいて召し上がり下さい」と書いてあったような。まあいいや。そのままがっつく。あっさりだけどクリーミー。一般的なものより塩気が少なくて食べやすい。マスタードをつければちょうどいいだろう。本当に色々な種類がある。大学にも色々な学生がいる。学生生活は山あり谷ありなような気しかしないし、スタート地点に石ころが無数に転がっていたのは既に確認済みだ。今はそんなデコボコ道を少しでも整地してくれるような存在に出会えることを願う。一緒に整地しよう。

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